心臓麻酔
東京女子医科大学心臓麻酔チームは心臓外科治療の周術期管理の質の向上を目的に2005年1月に設立されました。3次元経食道心エコーをはじめとする循環モニターを駆使して、冠動脈疾患、弁疾患、大血管、心筋症、重症心不全、先天性心疾患など多彩な疾患の麻酔管理を行っています。
心臓麻酔研修を通して開胸心臓手術のみならず、心臓に疾患を抱える患者さんの幅広い周術期管理が行える麻酔科医を育てることを目指しています。日本麻酔学会専門医取得に必要な経験数の確保や心臓血管麻酔専門医を志す先生を全力で応援します。
成人部門
当院では年間約350例の開胸心臓手術に加え、約150例の血管内ステント留置術やリード抜去手術、約150例の構造的心疾患のカテーテル治療全身の麻酔管理を行っています。
重症心不全患者の治療にも力を入れており、左室補助人工心臓や心臓移植、虚血性心筋症に対する骨格筋芽細胞シート移植などの再生医療にも関わっています。
経食道心エコー(TEE)を応用し、手術評価・循環動態評価を麻酔科医が主導して行っていることも特筆すべき点で、心臓外科医とのコミュニケーションを大切にしたチーム医療を実践しています。
神経ブロックチームを交えた積極的な疼痛管理による早期離床管理を行い術前から術後までの一貫した周術期管理を行うことで心臓外科治療の質を向上に寄与することを目標としています。
臨床教育では経験豊富な指導医が日本周術期経食道心エコー認定試験(JBPOT)の合格や心臓血管麻酔専門医取得を目指す先生を応援します。
小児部門
当院は国内有数の先天性心疾患治療施設であり、年間150例の姑息術・根治術が行われています。
対象疾患も幅広く、新生児期の初回手術から成人に至った再手術まで様々な疾患を扱いますが、重症例が多くかつ他院で手術適応を危ぶまれるような適応限界に近い治療困難な症例にも数多く挑んでいることも大きな特徴といえます。
麻酔管理では病態生理や術式に対する理解はもとより、個々の症例毎に長期的展望を見据えた治療戦略の理解が要求されますが、小児循環器医・小児心臓外科医との綿密な検討を通して、麻酔管理のみならず、先天性心疾患患児の治療を身につけることが可能です。
教育スタッフ
心臓麻酔の教育を担当するスタッフは全員が心臓血管麻酔専門医であり教育の質を保証します。
日本周術期経食道心エコー認定試験(JBPOT)またはアメリカ周術期食道心エコー認定試験(PTEeXAM)合格者で、経験豊富な麻酔科医が責任を持って指導を行います。更に心エコーの操作を介助してくれる臨床検査技師2名が研修をサポートします。
教育システム
心臓麻酔研修はBasicコースとAdvancedコースの2つの研修プログラムが用意されています。
Basicコースでは麻酔科専門医を目指す全員が必ず研修するプログラムで、麻酔科2〜3年目の先生が対象となります。成人麻酔を中心とする開心術25件以上を経験し、一般的な心臓手術の麻酔管理が行える事を目標にしています。
Advancedコースでは更なる心臓麻酔の研鑽を希望される先生を対象とした修練プログラムで、特殊な心臓手術や小児心臓麻酔の管理を行いながら一般的な心臓手術の麻酔管理を指導できることを目標にしています。
Basicコース
研修期間は4ヶ月間で心臓麻酔の基礎を学びます。
冠動脈バイパス術や各弁膜症手術、腹部大動脈瘤などの症例を中心に担当し5つの研修目標を掲げています。
Basicコース 5つの研修目標
- ①一般的な心臓手術を経験し麻酔管理を行える力を身につける
- ②一般的な心臓疾病、病態生理、手術術式を理解する
- ③人工心肺の構造を理解する
- ④経食道心エコーを麻酔管理に生かす
- ⑤チーム医療を実践できる
Advancedコース
研修期間は12ヶ月で心臓麻酔専門医の取得を目指します。
一般的な開心術だけでなく重症弁疾患、大血管手術、重症心不全や再手術症例、小児心臓麻酔など特殊な心臓手術の麻酔管理に必要な知識・技量を身につけることが目標となります。
Advancedコース 5つの研修目標
- ①一般的な心臓麻酔管理の指導できるようになる
- ②特殊な心臓手術を経験し麻酔管理を行える力を身につける
- ③小児心臓症例や成人先天性心疾患の疾病、病態生理、術式を理解する
- ④経験した心臓麻酔症例を学術集会・カンファレンスで報告する
- ⑤日本周術期経食道心エコー認定試験(JBPOT)取得
勉強会・カンファレンス・学会など
心臓血管麻酔専門医取得を希望される先生には、日本心臓血管麻酔学会での発表の指導から試験合格までのサポートを行います。