臨床(麻酔科全般)

豊富な症例数

他に類を見ない3つの手術室フロア(中央病棟手術室、西病棟手術室、Hyper SCOT)、合計ベッド数26を背景として、当教室の年間麻酔管理症例は約6,800例にも上ります。これは全国でもトップクラスの症例数といえます。

しかもその内訳は、心臓血管手術症例(成人小児及び経カテーテル手術)、消化器系手術(食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌)、脳外科手術(成人及び小児の脳腫瘍、Awake Surgery、術中MRIを用いた手術など)、生体腎移植、呼吸器外科手術と多岐に渡ります。

また、低心機能や腎不全といった重症合併症をお持ちの患者さんが多いため、入念な麻酔計画、堅実で臨機応変な周術期麻酔管理を学ぶ機会が必然的に増えることになります。

他では経験できない症例の数々

MRI・ナビゲーションシステムを備えたインテリジェント手術室における脳腫瘍手術やDa Vinciによるロボット支援下手術に代表されるように、東京女子医科大学病院は先進医療に積極的に取り組んでいる施設です。

都内で2施設しかない心移植の認定施設であり、次世代型補助人工心臓エバハート植込み手術なども含めて、他の施設ではなかなか携わることの出来ない症例が数多くあります。

設備の充実と患者の安全(モニタリングについて)

麻酔を受ける患者環境がテクノロジーの発展とともに劇的に変化しています。
東京女子医科大学の麻酔科では大学病院の利点を活かし、最新テクノロジーを駆使し患者の安全に配慮したマルチモーダルな麻酔が行える環境を整えています。

その一例として、麻酔深度を調節するのに欠かせない脳波や血行動態のモニタリング機器を駆使し、麻酔を医学と工学の両面から深く理解することにつなげています。最新の機器を使い、理解するための上級医のサポートにも力をいれています。

心臓麻酔の各部屋には新型経食道エコーの機器を複数台常備し、複雑な弁の形状や刻一刻と移り変わる心機能の評価を可能にしています。
日本心臓麻酔学会のメンバーが多く在籍していますので、ま心こめてご指導します。

産科麻酔で無痛(麻酔)分娩中の赤ちゃんとお母さんのモニターから産科麻酔専門麻酔科医による指導をおこなっています。

このように、新しいデバイスや次世代型デバイスの採用も頻繁であるため、麻酔科領域でのトレンドに乗り遅れることはありません。
こうした機器・設備の充実は、臨床だけでなく教育、研究においても、私達の大きなサポートとなっています。

手術室に留まらず

手術室の中に留まらず、小児の日帰りレーザー治療やガンマナイフ治療、前立腺癌への放射線治療など、手術室外での麻酔管理を求められる機会が年々増えています。
これら手術室外での臨床業務は、手術室での周術期管理とはまた違った側面から麻酔管理を学ぶ機会を与えてくれます。

後期研修の場として

麻酔管理を学ぶ上で症例経験数が多いということは大切ですが、複雑な疾患群や併存症をもつ患者さんから学ぶことが許される環境は、優れた研修には必要不可欠であり、本当にありがたいものです。

東京女子医科大学病院ならではの幅広い症例に関わり、いわゆるハイリスク症例が多いことも含めて、数のみならずその質からも、麻酔科医として充実した研修が可能な施設です。


同時に患者さんのより良い診療を目指し指導医と一丸となって毎日の診療を行うそうした患者中心の"医"の心も研修の大切な柱として受け継ぎます。
短い研修期間ですので、臨床に、研究に、勉強に、医局員が少しでも時間を取れるように日々の業務シフトを組んでいます。

その一環として、いわゆるママさん医局員には子育てと両立できるように勤務体制のバックアップを医局員ひとりひとりの協力により積極的に行っています。

標榜医取得、専門医取得、学位取得、留学など、それぞれの目標に合わせた支援を行い、各人のキャリア形成を全面的に応援しています。

医局員数

医局員(院内・院外) 45名
非常勤・嘱託医師 32名

※2024年4月現在